筑豊賞 - あすの筑豊を考える30人委員会
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このウェブサイトは、福岡県筑豊地区で地域づくりに日々取り組んでいる人たちを紹介するものです。読売新聞西部本社が提唱する「あすの筑豊を考える30人委員会」が毎年選考している「筑豊賞」の紹介が中心です。
当ホームページは、2023年3月31日をもって終了させていただきます。

新着情報

地域の発展に尽力 「第36回筑豊賞」表彰
2個人1団体たたえる

 筑豊での地域づくりや活性化などの取り組みを顕彰する「第36回筑豊賞」を受賞した糸田町の鶴我政利さん(1月に93歳で死去)と、宮若市のボランティア団体「Nest(ネスト)」、桂川町の岩城聡一さん(55)が、読売新聞西部本社の提唱で活動する「あすの筑豊を考える30人委員会」(松浦賢長委員長)から表彰を受けた。新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、表彰式の開催は見送りとなり、個別に表彰状とブロンズ像、嘉飯地区の特産品詰め合わせが贈られた。

糸田・鶴我さん家族
 「最後の花道飾れて幸せ者」

「第36回筑豊賞」鶴我さん 鶴我さんは糸田町の歴史探究に情熱を傾け、文化財指定の土台作りなど数々の成果が評価された。
 表彰は自宅で行われ、妻の多津子さん(90)が中井淳弥・30人委田川ブロック長から表彰状やブロンズ像を受け取った。鶴我さんを「一度決めたらやり遂げる人だった」と振り返り、「賞で最後の花道を飾ってもらえて幸せ者」と語った。
 次女の不二門(ふじと)美佐紀さんと夫の欧一(よういち)さん、鶴我さんと親交のあった福沢秀昭・町教育長、松岡俊輔・町地域振興課長補佐、賞に推薦した吉田裕史委員も同席し、祝福した。

 

「Nest」吉岡さん
 「皆さんのおかげ」

「第36回筑豊賞」Nest(ネスト) 「Nest」は2020年7月から、代表・吉岡美加さん(58)の宮若市金丸の自宅を開放し、妊娠・子育て中の母親らの交流サロンを開いている。
 サロンで行われた表彰では石光秀行・直鞍ブロック長が表彰状を、推薦人の毛利幸子委員がブロンズ像を授与。吉岡さんは「活動できるのはお母さん方やスタッフら皆さんのおかげ」と感謝し、「受賞を励みに自信を持って取り組み、期待に応えていきたい」と笑顔を見せた。
 石光ブロック長は「頑張りが際立っている」、毛利委員は「協力したいと思わせる人」と評した。

桂川の岩城さん
 「仕掛け広げる」

「第36回筑豊賞」岩城さん 岩城さんは、障害のある人たちの就労の場として有機野菜を生産する「けいせん やさい倶楽部」と、一般市民が参加する「あおむし畑 嘉穂体験農園」を桂川町で運営している。受賞について「自分のやりたいことをやってきただけなのですが・・・・・・」と語り、推薦人の溝口治夫委員から表彰状やブロンズ像を受け、はにかみ気味に喜んだ。
 農業は自然相手だけに試行錯誤の連続だが、「うまくいかないこともあるからこそ楽しい」と笑う。1人で有機農業を実践して挫折した経験があるだけに、「一緒に農業を楽しむ仕掛けを広げていきたい」と意気込んでいた。

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「第36回筑豊賞」受賞者紹介「下」
岩城聡一さん 55(桂川町)
笑顔生む農福連携

「第36回筑豊賞」受賞者 岩城聡一さん 桂川町で障害のある人たちの就労の場として「けいせん やさい倶楽部」(就労継続支援B型)を、一般の農業体験の場として「あおむし畑 嘉穂体験農園」を運営している。「農業は大変だけど楽しい」と情熱的に伝えるパワーの源は「みんなの笑顔」だ。
 飯塚市出身の岩城さんは大学卒業後、北九州市の民間企業で営業や商品開発に携わったが、多忙さに体が悲鳴を上げ、30歳の時に脱サラを決意した。その頃、旅先の旅館で偶然、桂川町でアイガモ農法を手がける農場に関する本を手にした。食の安全への関心が高まっていた時期でもあり、有機農業である点に強い興味がわいた。すぐに手紙を出し、31歳の時から1年間、研修を受けさせてもらった。
 研修後、飯塚市で有機農業を実践。一人で竃闘したが、生計は立てられずに5年で挫折した。「多品種少量生産が基本の有機農業は、家族経営でなければ軌道に乗せるのは難しい」。聞き知っていた話が現実になってしまった。その後は農業から離れていたが、40歳代半ばを迎えた年に再起。「仲間と一緒に取り組めばやっていけるはずだ」と会社員時代の先輩らの協力を得て、体験農園を開園した。
 参加者は約30平方メートルの畑を1年間借り、岩城さんの指導のもと、大根やニンジン、キャベツ、ナス、キュウリ、トマトなど20~30種類の野菜を有機栽培する。子ども連れや定年退職後の夫婦らが多く、福岡都市圏から通う親子もいる。
 障害のある子どもが体験を通じ、自立できるようになったと感謝されたことをきっかけに2016年、やさい倶楽部を開設。現在は20~60歳代の障害者らとともに有機栽培から収穫、箱詰め、販売・配達までをこなし、社会参加を支える。
 農業は収種の喜びがある一方、作物が虫食いになることもあるなど大変な面も少なくないが、岩城さんは「楽しさを実感してもらうことが一番大事」と語る。
 「農業を通じ、元気なまちづくりにも寄与したい」と岩城さん。「農業経験のある高齢者の方々に参加してもらう方法も考えられる」と意欲的だ。

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「第36回筑豊賞」受賞者紹介「中」
Nest(ネスト)
コロナ禍母親応援

「第36回筑豊賞」受賞者 Nest(ネスト) 妊娠・子育て中の母親らの交流サロンを、代表の吉岡美加さん(58)宅で開いている。
 活動はボランティアで、母親らの負担は実費のみだ。サロン名でもある「Nest」は、英語で「鳥(など)の巣」を意味する。
 吉岡さんがサロンを開設したのは2020年7月。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自身が保育士として勤務する宮若市子育て支援センターが休止した時期だった。
 「こんな時だからこそ、自分の子育て経験も生かし、若いお母さんを応援したい」。温めていた構想を実践したいと強く思った時、夫の睦巳さん(60)が背中を押し、協力してくれた。
 宮若市金丸の自宅の2室計約65平方メートルをサロンとして開放。無料通信アプリ「LINE」の公式アカウントでの情報を基に、若い母親らが足を運ぶ。子どもの年齢は0~2歳が大半だ。「第1子の場合は特に悩みを抱えやすい」と吉岡さん。
 サロンの軸は第3火曜日に聞く「おしゃべり塾」だ。子どもにはスタッフが目を配る中、母親らは「子育てで大切なことは伺か」などの質問に対する答えを互いに発表。
 共感や笑いの輸が広がり、話が弾む。違う考え方を知るなど学びもある。「気がかりが解決した」「ストレス発散になった」などと、参加者はすっきりした表情で家路につく。
 特徴的なのは月2、3回の「ワーク」活動。母親らはアクセサリーや手提げバッグ、ベビー服、フェルト生地のおもちゃなどを手作りして楽しむ。関連の資格を持つ吉岡さんがサポートしており、息抜きと実用を兼ね、趣味づくりのきっかけにもなっている。このほか、ハロウィーンやクリスマス時期にはイベントも開いている。
 サロンに参加した人は昨年度が152人、今年度は昨年末時点で159人。繰り返し足を運ぶ人も多い。
 今回の受賞について吉岡さんは「本当にありがたく、励みになる」と喜ぶ。今後に向けては、働く妊婦らを対象とする夜間オンラインおしゃべり会を計画中だ。
 「ママの笑顔が子どもヘ家族へ、そして地域ヘ」。吉岡さんの願いだ。

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「第36回筑豊賞」受賞者紹介「上」
鶴我政利さん 93(糸田町)
糸田城調査に情熱

「第36回筑豊賞」受賞者 鶴我政利さん 筑豊賞受賞に「これまでの取り組みが認められた」と笑顔を見せる。
 元高校教諭で、糸田町教育委員なども務めた。多忙な中でも常に生まれ育った同町に視線を向け、郷土史の掘り起こしと、その価値の啓発に力を注いできた。
 とりわけ情熱を傾けたのは、鎌倉時代末期に豊前国守護・糸田貞義が居城したとされる糸田城の調査。城跡を歩き、史料を読み込み、鎌倉幕府が博多に設けた九州統括機関・鎮西探題との関係を明らかにした。貞義が昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公、北条義時の子孫であることも突き止めた。
 城跡では中世後期の梵字入り五輪塔も発見。九州では珍しかったこともあって城跡保存の機運が高まり、有志を募って草を刈るなど一帯の整備を進めた。
 「(鎌倉時代、モンゴル帝国=元=が2度にわたって日本に侵攻した)『元寇』の後、糸田は海外からの侵略に備える軍事上の要衝に位置づけられていた」。調査を通じ、こう確信するようになった。
 一方、同町の金村神社に江戸時代末期から残る天井絵にも注目し、作者や技法の解明、専門家による修復に尽力。天井絵は歴史的価値が広く認められ、町文化財指定第1号になった。
 俳人・種田山頭火と、糸田の炭鉱病院に勤務していた医師・木村緑平の交遊にも光を当てた。研究発表を通じて糸田の知名度が上がり、1998年には町で全国規模のフォーラムが関かれた。出席した研究者らを自宅に泊め、山頭火談義に花を咲かせた。
 2021年には大正期の約10年間、糸田城跡に開設されていた城尋常小学校の記念碑を現地に建てた。「短い歴史であってもきちんと受け継ぎ、忘れ去られないようにしたい」との信念から協力を呼びかけ、幅広い賛同を得た。
 いずれの成果も「私一人でなし得たわけではない」と、多くの人の名前を同志として挙げる。「糸田は素晴らしい歴史を持っている。糸田に誇りを持ってほしい」。一貫する郷土への思いを、後進が受け継いでくれることを願っている。

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「第36回筑豊賞」
筑豊賞 1団体と2人

 読売新聞西部本社の提唱で活動する「あすの筑豊を考える30人委員会」は、筑豊での地域づくりや活性化などの取り組みを顕彰する「第36回筑豊賞」に、糸田町の鶴我政利さん(93)と、宮若市のボランティア団体「Nest(ネスト)」、桂川町の岩城聡ーさん(55)の3個人・団体を選んだ。それぞれの活動などを紹介する。

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メンバーブログ

あすの筑豊を考える30人委員会ブログ

2022年10月01日
田川で活動 地域通貨(コール)をゲット 9/9日掲載

概要と目的:田川市はスマートフォンを使ってやり取りするデジタル通貨『コール』の実
証実験を始める。地域での体験活動の『対価』として流通させる。
実際のお金のようには使えないが受け渡しを通じて人と人との交流を促し、
地域活性化につなげることが狙い。

20年くらい前にこち亀の主人公が【亀】という地域通貨で金儲けを試みるという話を
思い出しましたが、まさか漫画の話が現実になる日がくるとは...。
漫画では主人公の私利私欲で地域通貨は失敗に終わりますが、このシステムをうまく使
い広く普及させ、将来的に田川市以外の地域も巻き込んでいけば大幅に地域活性化が進
み、大きなビジネスに発展する可能性は十分に秘めていると考えます。
こち亀のように不正に運用するのではなく地域の人々が協力して運営していけば、
そのうち『マイホームは【コール】で購入しました』なんて会話をする日も遠くないかもしれませんね。

田川ブロック 石川 昇平

2021年07月08日
ブロック長会議(7月)

先日、ブロック長会議が行われました。
新しい議題としては、30人委員会の同窓会を発足させてはどうかというものがありました。
同窓会OB,OGの皆様のお力を借りて、現行30人委員会がより一層この筑豊に貢献できるのではと考えております。
具体的になりましたら、またこのブログにて報告いたします。

なお本ブログですが、各ブロックのブロック長が記事を投稿していきますのでご期待ください。
よろしくお願いします。

あすの筑豊を考える30人委員会
委員長 松浦賢長

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