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■ 地域づくり3者表彰
第31回筑豊賞
読売新聞西部本社の提唱で活動する「あすの筑豊を考える30人委員会」の第31回筑豊賞の表彰式が1月28日、直方市の中小企業大学校直方校で開かれた。地域づくりに取り組む「嘉穂町レクリエーション研究会」(嘉麻市)と宮崎一雄さん(60)(小竹町)、石谷光信さん(68)(福智町)に表彰状と記念のブロンズ像が贈られた。式には、小竹町の松尾勝徳町長や委員のOBら約50人が出席し、受賞者・団体が活動内容を発表した。
【嘉穂町レクリエーション研究会】
■青少年育成目的、今後も催し企画
嘉穂町レクリエーション研究会(馬場輝樹会長、約20人)は、「楽しくなければ、レクリエーションではない」を合言葉に活動。表彰式では、事務局の野上利文さん(69)が昨夏、25回の節目で終えた「かほ夢運(ムーン)ハイク」など青少年育成を目的にした様々な取り組みを振り返った。野上さんは「高齢者や子どもたちが住みやすい街にするため今後もイベントを考えていきたい」と述べた。
【宮崎一雄さん】
■ボタ山跡で駅伝、成功に向けて意欲
小竹町の宮崎一雄さん(60)は「町消防団が活動の第一歩になった。人を救う勇気を学んだ」と話したうえで「行動することで、地域づくりは前に進んでいく」と力を込めた。
「活動が赤字になっては続かない。ノウハウを学ぶうえでも交流が貴重だ」と振り返り、今年で3回目を迎えるボタ山跡の農園を走る「こたけボタカン駅伝」を紹介。同駅伝の成功を、今後の活動目標に挙げた。
【石谷光信さん】
■周りの協力感謝、後継育成にも力
福智町の野添地区を拠点に活動する「野添グランドゴルフ愛好会」(約40人)の監督や自治会にあたる「方城17区」(約100世帯)の区長を務める石谷光信さん(68)は、それぞれの会報を発行している取り組みを紹介した。
石谷さんは、協力してくれる地域住民や妻の和子さん(69)に感謝の意を示しながら、「私も手助けしながら、後継者を育てていきたい」と語った。
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[21]
●こたけボタカン駅伝実行委員会(小竹町)
自然満喫 町の魅力発信
小竹町新多の山の里自然農園に設定した1周1キロのコースで4時間の周回数を競う「こたけボタカン駅伝」を昨年から開き、街の新たな魅力を発信する。農園は、かつて栄えた炭鉱のボタ山跡で、現在はブルーベリー園として観光振興に一役買っている。
草地が広がり、起伏に富んだ地形に着目した有志が「クロスカントリーにも適しているのでは」と企画。農園側の理解を得て、ボタ山とクロスカントリーにちなんだ大会名の駅伝を実現した。
今年は5月、職場や家族など町内外の21チーム、約170人がたすきをつなぎ、陸上自衛隊のチームが62周の新記録で優勝した。
実行委員長の萬田美代子さん(68)は「町外の人にも素晴らしい自然を満喫してもらえれば、と張り切った」と振り返る。来年は5月13日の開催を予定しており、参加を呼びかける。
推薦・古賀佳代委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[20]
●田川キャリア教育研究会(北九州市)
社会人招き小中学校で授業
小中学生に将来の目標を持ってもらおうと、田川地域の学校で「夢授業」を手がけている。看護師や薬剤師、自衛官など様々な職種の社会人20~30人を授業に招き、仕事の内容を説明して質問に答える形で、子どもたちの意欲を高める。
ボランティア団体として5月に発足した。会長で田川市出身のコンサルタント業篠原毅さん(46)が昨年10月、同市立鎮西小で行われた同様の授業に社会人として招かれ、前のめりになって話を聞く児童の姿に感銘を受けたのがきっかけだった。授業を実施した北九州キャリア教育研究会(北九州市)に「田川の研究会を作り、古里で役に立ちたい」と相談して実現した。
発足後、夢授業は鎮西小や香春町立勾金中など4校で取り組んだ。篠原さんは「将来像を思い描く子どもたちに、夢をかなえてほしい」と願っている。
推薦・西部知恵委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[19]
●野見山愛莉さん20 (飯塚市)
保育補助や親の話し相手に
飯塚市本町の子育て支援施設「街なか子育て広場」で、ボランティアとして親子らに絵本の読み聞かせを行うなど、地域に根ざした活動を続けている。
近畿大九州短期大の2年生。学生約20人が所属する幼児教育研究会のリーダーを務めてきた。市内の保育園で預かり保育を補助したり、行事を手伝ったり。「子どもの接し方を学べる」と積極的に取り組んだ。
同広場では子どもと接するだけでなく、一緒に訪れた母親の話し相手になることもある。「話を聞いてもらえて気が楽になった」と感謝され、子育て中の親への支援の重要性も感りるようになったという。
幼稚園教諭の母の影響で保育土を目指し、来年4月から嘉麻市の保育園で働く予定。「子どもと楽しく接しながらも、親の悩みにも寄り添える保育士になりたい」と思っている。
推薦・平松愛子委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[18]
●栗田尚哉さん 57(鞍手町)
福岡朝鮮歌舞団の活動支援
朝鮮半島の伝統音楽や舞踊を披露する福岡朝鮮歌舞団(北九州市)の活動を支援する世話人として、国際理解の促進に力を注いでいる。
1983年に教職の道へ進み、現在は鞍手町立剣南小で教壇に立つ。教育を通じて偏見、差別の解消に取り組んできた。
歌舞団の支援は2013年、団員の1人と北九州市八幡西区で知り合ったのをきっかけに始めた。「誇り高い音楽と踊りは、日本人の心にも強く訴えかけるものがある」と言う。
同市小倉北区で昨年開かれた歌舞団の創立50周年記念公演では、集客に全力を挙げた。「満席の半分ほどが日本人だったのが、うれしかった」と振り返る。
舞台でギターの伴奏も手伝う。「厳しい国際情勢だからこそ、相互理解がもっと必要だ」と訴え、地域での活動にも力を入れる。
推薦・立石宗之委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[17]
●坂口秀雄さん 66(香春町)
清瀬水辺公園を花で美しく
香春町を流れる金辺川沿いにある清瀬水辺公園で、花の苗を植えたり、雑草を刈ったりして環境美化に努めている。
県が2009年に整備して町に管理を委託している公園。町や住民らが年に数回、草を刈るが、草の成長に追いつかず、生い茂った状態が目立っていた。
「少しでも公園の見栄えを良くしたい」と思い、13年に町の了解を得てアジサイを植えたのが活動の始まり。約10年前に仕事場での事故で頭と肩を負傷し、重い物を持てなくなったが、「花なら育てることができる」と続け、彼岸花やスイセンも栽培している。
町を象徴する香春岳の麓で、公園の近くには古い歴史を伝える香春神社が鎮座。「少しずつでも公園の花が増えるように手入れしている。地域住民にも呼びかけ、一緒に美化活動に取り組みたい」と話している。
推薦・中井淳弥委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[16]
●社会福祉研究会(飯塚市)
学生が障害者を手助け
飯塚市の近畿大九州短期大保育科で今年4月に発足し、学生約20人が障害者の支援に取り組んでいる。
同短大では、学生たちが地域のごみ拾いなどを行う「ボランティア部」、幼児との接し方を学ぶ「幼児教育研究会」などで活動しているが、障害者を支援する団体はなかったという。
2年の高田有稀さん(20)が、1年の時から障害児らを対象にしたイベントなどに参加していたことから、「もっと多くの人に障害をもつ人たちと接してもらいたい」と、同級生らに呼びかけて設立した。
これまで、飯塚国際車いすテニス大会で出場選手の移動を補助したり、福祉施設の運動会で入所者を手助けしたりした。高田さんは「まだまだ、障害者向けのボランティアを知らない人も多い。活動を通して障害者を支える人を増やしていきたい」と話している。
推薦・平松愛子委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[15]
●大和青藍高「たくみのたまご」(直方市)
調理部経営のレストラン
直方市の古町商店街にあるレストラン。大和青藍高が空き店舗を借り上げて2012年5月にオープンし、名シェフが育つように願いを込めて店名を付けた。同校の調理部で活動する生徒たちが、調理や接客のほか、原価計算や発注など経営全般の業務を担う。
部員は現在22人で、店は原則、隔週土曜に営業。ハンバーグセットやオムライス、ハヤシライスなどが買い物客らに人気で、商店街の活性化に貢献している。
料理の創意工夫にもつながっており、米粉を使ったスイーツを競う市主催のコンクールで、副部長の山崎康城さん(2年)の作品が今秋、優秀賞に選ばれた。
指導する大江健太郎教諭(40)は「社会人に必要な責任感を持たせ、チームワークを磨いている。苦しさの後に喜びを得ることで、料理の奥深さを学ぶ場になっている」と話す。
推薦・石光秀行委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[14]
●松養栄貞さん・花子さん夫妻(添田町)
松養坊守り見学者と交流
添田町の英彦山神宮の参道沿いで、かつて修験者が暮らしていた宿坊「松養坊」の16代当主・松養栄貞さん(74)。2003年に宿坊を改修し、それ以降、妻の花子さん(70)とともに見学者らを受け入れている。
約180年前の江戸後期に英彦山の別の集落から移ってきたとされる「かやぶき寄棟造り」の宿坊。昭和初期の1929年と35年には、俳人・種田山頭火が宿泊したことで知られる。
改修に合わせて、修験者が使ったほら貝や江戸時代の弁当箱、古文書などを集めた資料室を屋根裏に設けた。来場者数は2010年度の44人から、16年度は418人に増えた。
北九州市小倉南区にある自宅との間を行き来する生活だったが、今年7月から宿坊で暮らす。夫妻は「これからも松養坊を守りながら、訪れた人との交流を深めたい」と話している。
推薦・林真弓委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[13]
●オオムラ製作所(飯塚市)
夫婦でものづくり広める
飯塚市花瀬の大村和弘さん(37)と華奈さん(36)夫妻が今年4月、自宅にオープンした。オーダーメイドの家具を製作する一方で、木工で雑貨を作るイベントを企画し、「ものづくり」の楽しさを広めている。
夫妻は10年ほど前からボランティア団体に所属。キャンプで子どもたちに竹を材料にした箸作りを教えたり、長男(9)のためにアクセサリーを手作りしたりするうち、ものづくりの道ヘ。
和弘さんは今年3月に市役所を退職し、今は家具の製作や修理、住宅の改修を請け負う。華奈さんは子どもや主婦らを対象に木工の教室を開いている。北九州市や久留米市からの参加もあり、人気を集めている。
華奈さんは「様々な物が簡単に手に入る時代だからこそ、手作りの良さを知ってほしい」、和弘さんは「ものづくりを通して地域を活性化したい」と語る。
推薦・相川千雪委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[12]
●嘉穂町レクリエーション研究会(嘉麻市)
地域盛り上げる企画 次々に
嘉麻市内を夜通しで歩く「かほ夢運(ムーン)ハイク」を毎年8月に開き、25回の節目を迎えた今年で幕を下ろした。当初は地元住民向けだった小さなイベントは、県内外から参加者1000人以上が集まる夏の恒例行事に成長した。
旧嘉穂町の公民館によるアウトドアの催しに携わった住民が1992年に設立。イベントは「親子の交流の場を作りたい」と始めた。
「楽しくなければ、レクリエーションではない」を合言葉に、会員約20人が活動。コースの誘導や食事のもてなしをボランティアで行い、住民主体の運営が定着した。来年からは行政に運営を引き継ぎ、新たなナイトハイクとして出発する。
研究会は今後も様々なイベントを企画する予定で、馬場輝樹会長(50)は「参加する人も運営する人も楽しめる内容で、地域を盛り上げていきたい」と語る。
推薦・有江俊哉委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[11]
●石谷光信さん 68(福智町)
2つの会報発行し絆づくり
福智町伊方の野添地区で「野添グランドゴルフ愛好会」(約40人)の監督や自治会にあたる「方城17区」(約100世帯)の区長を務め、それぞれの会報を月1回発行している。
愛好会は土・日曜を中心に毎月約10試合を楽しみ、会員の成績を2010年から発行する会報「愛好会だより」に掲載。会員2人ずつに依頼し、健康の維持法や夫婦の出来事などを自由に書いてもらっている。
17区の会報「野添常会便り」は12年から発行。地元の小中学校や神社などの行事予定を網羅し、前月の行事の感想を記す。自身で撮影した風景などの写真付きカレンダーも添えている。
いずれもA4判4ページを基本に、行事が多いと12ページに及ぶことも。「地区を活性化させるためには、絆づくりが大切。会報は情報の共有化を図り、絆を深めるのに役立つ」と話している。
推薦・岡田光弘委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[10]
●RUN伴十チーム川崎(川崎町)
認知症啓発 たすきつなぐ
認知症の人や家族、地域住民らが駅伝のようにたすきをつなぐ認知症啓発イベント「RUN伴」。関連行事に参加するため、川崎町で介護福祉事務所を運営する中野龍司さん(36)が呼びかけ、7月に発足した。
RUN伴は、NPO法人「認知症フレンドシップクラブ」(東京)などが2011年から毎年開催。今年は7~11月、北海道を出発し、沖縄でゴールした。
本ルートではない地域では関連行事「RUN伴+」に参加。11月4日、川崎町の町福祉協議会からJR豊前川崎駅まで約2.5キロを6区間に分け、認知症の人や社協、福祉施設の職員ら約30人が1時間かけてたすきをつないだ。
中野さんは「認知症に対する暗いイメージを払拭しようと取り組んだ。来年は地域住民にも参加してもらえるよう、準備していきたい」と話している。
推薦・公門友里絵委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[9]
●宮崎一雄さん 60(小竹町)
催しなど地域活動に尽力
小竹町にあった勤務先の社宅に1980年代に入居し、町民になって以来、住民団体「小竹に住みたいまちづくりの会」の発足に携わるなど、地域活動に取り組んできた。
消防団員やPTA会長などを歴任。「町民が楽しめにる催しを」と有志で企画し、92年夏に「ふるさと納涼まつり」を始めた。10回の節目で終えたが、その後、趣旨は現在の催し「小竹町民まつり」に引き継いだ。
東日本大震災後の2011年4月には同じ「小竹」の地名の縁で、被災した宮城県石巻市の小竹浜地区に救援物資を届けた。「ワゴン車に野菜などを積めるだけ載せて運んだ」と振り返る。以来、小竹浜との交流を深めている。
自宅敷地に建てたプレハブ平屋を「船小屋」と名付けた。仲間が気軽に集える場所として、まちづくり談議に花を咲かせている。
推薦・花田美起委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[8]
●森一郎さん 83(直方市)
世代間で「ふれあい交流」
直方市内の小中学生らの学習支援や、昔の遊びに地域の高齢者が携わる同市の「ふれあい交流事業」の活動を担っている。温厚篤実な”先生” として知られ、小学校長を退いた後も子どもたちの健全育成に情熱を注ぐ。
1998年に始まった同事業では、子どもとお年寄りの世代間交流を図り、高齢者の社会参加と生きがいづくりに尽力。直方の歴史や民俗行事の伝承、書道などの学習支援のため、地元の小学校に招かれている。
福地小では今年9月、書道を指導。「絆」としたためた児童の作品が九州北部豪雨の被災地の小学校に送られた。年末を迎えて、しめ縄づくりを直方東小で手ほどき。子どもたちは目を輝かせながら取り組んだ。
「子どもたちの笑顔が何よりうれしい」と森さん。自身のスケジュール表には「ふれあい」の行事をびっしりと書き込んでいる。
推薦・白土聖司委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[7]
●桂川手話の会(桂川町)
聴覚障害者支える地域に
より多くの人に手話を知ってもらおうと、勉強会を開いたり、住民との交流会を企画したりして、聴覚障害者を地域で支えるまちづくりに取り組んでいる。
桂川町社会福祉協議会の手話講習会を受講した住民ら約20人が1987年に設立。一般向けの勉強会などで手話を広める当初の活動を通して、学校に通えずに文字が読めない聴覚障害者もいることが分かり、活動の幅を広げた。
94年に識字学級を開始。97年からは障害者らと情報を交換する場を設け、現在は週1回、定例会を開いて聴覚障害者の自立に向けた取り組みを進めている。
設立から今年で30年を迎え、約40人の会員が精力的に活動を続けている。右田よう子会長(69)は「耳の不自由な人が障害を気にせずに『普通』に生活できる地域にしていきたい」と話している。
推薦・溝口治夫委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[6]
●福丸山笠盆踊り保存会(宮若市)
祇園祭や放生会 後世へ
宮若市の福丸地区で江戸期から続く日吉神社の祇園祭や、若宮八幡宮の放生会を後世に伝えるため、1992年に活動を始めた。運営の先頭に立つ3代目会長の小森恭一さん(66)は「祇園祭の山笠に育てられたと言っても過言ではない」と語る。
少子高齢化の進行で参加者が減った山笠の存続が危ぶまれたことから、地元有志が立ち上がった。小学生に太鼓、中高生に「台つき」などの重要な役割を担ったもらうことで、「来年も参加する」という意識が次の世代に根づいた。市外に転居しても、山笠に参加するため戻ってくる姿も多い。
地元自治会との両輪で取り組んできた。7月の九州北部豪雨の後に共同で被災地を支援し、重機を持ち込んで復旧作業に携わった。一日も早い復興を願い、小森さんは「郷土愛はどこも同じ」と力を込める。
推薦・柴田裕美子委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[5]
●県立田川科学技術高システム科学技術化(田川市)
ベンチ作りで地域に貢献
2005年の開校以来、ベンチやテーブルなどの手作り木工品を毎年、田川地域の公共施設や道の駅などにプレゼントしている。
同科で建築・環境創造を専攻する1~3年の全員で取り組む。1年生はもの作りの苦労を学ぶためノミと金づちで穴開け、2年生は塗装、3年生は組み立て作業と、役割を分担する。
高校の特色を生かして地域に貢献しようと、前身の田川工高校時代の1992年に始まった。今年は生徒85人でベンチを作り、10月に県立西田川高(田川市)に3台、11月に伊田商店街(同)に8台を寄贈した。
指導する講師の金子勲さん(65)は「もの作りの意義や喜びを、生徒が感じてくれればうれしい」と期待。商店街にベンチを届けた2年の中西亜斗夢さん(17)は「しっかり作っているので長く使える。多くの人に利用してほしい」と話す。
推薦・石川昇平委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[4]
●大分駅前団地自治会(飯塚市)
「駅前新聞」住民と一体感
飯塚市のJR篠栗線・筑前大分駅前近くの約50世帯が協力して地域の課題解決に取り組み、住民による自治の実現を目指している。
団地は30年ほど前に造成され、住民の多くは65歳以上の高齢者。若者が都市部に流出し、高齢化が進む。
住民の会話のきっかけにしようと毎月1日、手作りの「駅前新聞」を発行し、今年8月に100号を数えた。自治会の催しなどを掲載し、「地域のことがよく分かる」と好評で、住民の一体感を生んでいる。
モニター付きインターホンを各世帯に割安で設置したり、力仕事をボランティアで手伝ったりして、互いの悩みを解決する。
江島康博会長(70)は「高齢化や過疎化が進む地域では、住民が助け合わなければ暮らしていけない。行政に頼らずに、住民が地域を『自治』するモデルにしたい」と話している。
推薦・田中仁委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[3]
●おとのわ(直方市)
ダンスでお年寄りを元気に
お年寄りたちを元気づけようと、代表の佐谷直美さん(57)ら4人が月2回のペースで直方市内9か所の介護施設などを慰問し、エアロビクスダンスや懐かしい歌の楽しさを伝えている。
メンバーは2011年から市男女共同参画センターのエアロビクス教室に通う仲間の小山真由美さん(60)と高橋順子さん(58)に、島本京子さん(72)が加わった。「ダンスの発表会だけでは、もったいない」と、12年に活動を始めた。
慰問先では、「ミネソタの卵売り」などの軽快なリズムに乗り、ダンスを披露。全身運動の楽しさを伝え、見ていたお年寄りたちの体も自然と左右に動く。衣装は曲に合わせて手作りしており、この曲では鶏をデザインした。
4人は「『音の輪』が広がって、皆さんに喜んでもらえるのが何よりうれしいです」と口をそろえる。
推薦・白土聖司委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[2]
●TEAM91(田川市)
地震・豪雨 支援続ける
熊本地震の被災地を支援しようと昨年4月、田川市内でガスの設備工事会社を営む久保田真一さん(49)の呼びかけで発足した。現在は、九州北部豪雨の被災地にも活動の範囲を広げた。
久保田さんは、熊本県菊陽町のバイク店に拠点を置くレースチムに所属。昨年4月16日の「本震」の直後、同店に物資を自ら届けた。田川のバイク仲間や知人らも参加し、現在は約20人で活動している。
同県大津町との交流を深め、町内の小学校に約400冊の本を贈った。震災から1年となった今年4月、同町職員を田川市に招き、支援イベントも開いた。
7月の九州北部豪雨の後には、添田町や東峰村、朝倉市で土砂の除去を手伝った。久保田さんは「熊本地震、九州北部豪雨の被災地復興には、息の長い支援が必要。無理のない範囲で続けていきたい」と話す。
推薦・高山友良委員
■ ふるさとの誇り「第31回筑豊賞」候補[1]
●飯塚市商店街連合会合同販売促進委員会(飯塚市)
若手商店主 次々催し
飯塚市中心部の本町や東町など6か所の商店街を活性化するため、若手商店主や後継者ら約20人が様々なイベントの企画や運営に携わっている。
郊外への大型商業施設の進出などの影響で客足が減り、後継者も都市部に流出して空き店舗が目立つようになった。
歴史ある商店街を守りたいと、10年ほど前から若手委員らが奮起。専門店の知識を市民に教える「まちゼミ」、各店お薦めの商品をPRする「一店逸品」などを実施してきた。
明治時代から続く年末恒例の大売り出し「永昌会」では、スポーツ選手をトークショーに招くなど、多くの人に足を運んでもらうための工夫を続けている。
三好宏輔委員長(40)は「商店街が衰退すれば地域の活気もなくなる。子どもたちに元気な商店街を残したい」と意欲をみせる。
推薦・久保森住光委員
■ 各分野での活動紹介
読売新聞西部本社の提唱で活動する「あすの筑豊を考える30人委員会」が、筑豊地域の活性化に取り組む個人・団体を顕彰する「第31回筑豊賞」の候補を決めた。今回は嘉飯、直鞍、田川の3地区から7件ずつ推薦し、地区ごとの筑豊賞を選定する。表彰式は1月28日(日)、直方市の中小企業大学校直方校で予定している。各候補を紹介する。
■1月1日(日) 謹賀新年
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。