筑豊賞 - あすの筑豊を考える30人委員会

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[ 2019年 ]

 第32回筑豊賞表彰式
地域交流や文化受け継ぐ

 読売新聞西部本社の提唱で活動する「あすの筑豊を考える30人委員会」が地域づくりに貢献した個人・団体に贈る「第32回筑豊賞」の表彰式が2月3日、田川市の県立大で行われた。飯塚市のパソコンクラブ講師・碇山武広さん(78)、直方市の「旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会」、川崎町の自宅で「筑豊絵本館」を運営する村上通哉さん(87)が受賞し、表彰状とブロンズ像が贈られた。
 式には、飯塚市の片峯誠市長、直方市の壬生隆明市長、川崎町の手嶋秀昭町長やOB委員ら約40人が出席。受賞者・団体の活動紹介などが行われた。
 碇山さんは、飯塚市立立岩小で毎週木曜に聞かれるパソコンクラブについて「みんなで学び、互いに教え合うのが特徴」と紹介。「会員が活動を盛り上げてくれたから続けてこられた。これからもお年寄りが生き生きと輝ける地域にしていきたい」と語った。
 旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会は、大正時代に設立された炭鉱技術者の養成機関「筑豊鉱山学校」の歴史を伝える活動に取り組んできた。吉田隆光会長(77)は「受賞は会員の献身的な努力のおかげ。貴重な資料を次の世代に受け継いでいきたい」と述べた。
 村上さんは、自宅敷地内に絵本館を設けた経緯や日本画家・東山魁夷との交流を振り返った。1994年に絵本館を開設した際、東山から人形やレコードなど段ボール24箱分の愛用の品々が届いたことを紹介し、「東山画伯のコレクションをどう守り継いでいくかが課題だ」と話した。
【パソコンクラブ講師 碇山武広さん】
碇山武広さん
碇山さん(前列左から3人目)と30人委員会嘉飯プロックの委員ら
【旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会】
旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会
旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会のメンバーら
【筑豊絵本館 村上通哉さん】
村上通哉さん
村上さん(前列左から3人目)を囲む30人委員会田川プロックの委員ら

 第32回筑豊賞
筑豊賞2個人1団体

 読売新聞西部本社の提唱で活動する「あすの筑豊を考える30人委員会」は、地域づくりや文化・スポーツ振興、青少年育成などに取り組む個人・団体を顕彰する「第32筑豊賞」に、嘉飯、直鞍、田川の3地区から2個人と1団体を選んだ。
 賞を受けるのは、飯塚市のパソコン教室で講師を務める碇山武広さん(78)、直方市の「旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会」、川崎町で「筑豊絵本館」を運営する村上通哉さん(87)。
 表彰式は2月3日午前11時から田川市伊田の県立大で行われ、表彰状と記念のブロンズ像が贈られる。30人委員会は1987年に発足。毎年、筑豊賞を贈っており、今回は3地区の20個人・団体を推薦していた。

【碇山武広さん】(飯塚市)
■使命感やりがいに直結

碇山武広さん  田川市内の情報機器製造会社の工場を退職後、「地域の役に立ちたい」と2001年に開講したパソコン教室「市の間パソコンクラブ」の講師を引き受けた。会員の多くは初心者で、基本操作から写真加工などの応用まで教えている。
 教室は同市立立岩小で毎週木曜日の放課後に開かれており、60~80歳代の約10人が通う。会員同士で互いに教え合ったり、会話を楽しんだりしながら学んでいる。「高齢者が地域の人たちと交流するきっかけづくりの場にもなってほしい」と期待を込める。
 自身が制作した地元自治会のホームページの管理運営も行っており、教室の傍ら、ホームページに載せるため、デジタルカメラを片手に地域のイベントの取材もこなす。「講師もホームページ作りも『自分にしかできないこと』という使命感がやりがいにつながっている」と話している。

【旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会】(直方市)
■貴重な資料を守り継ぐ

旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会  大正時代に炭鉱技術者を養成する目的で創設された筑豊鉱山学校。その歴史を後世に伝えようと、直方市の県立筑豊高に設けられた資料室で毎週日曜日、会員らが交代で来館者の案内などを行っている。
 資料室には、鉱山学校の教科書や鉱物標本、明治から大正にかけての筑豊炭田を撮影した写真、昭和初期の授業や寮生活の様子を収めた記録映画のフィルムなどが展示されている。
 鉱山学校の流れをくむ筑豊工業高は2005年、統合に伴って閉校し、跡地には筑豊高が移転することになった。「鉱山学校が歴史に埋もれてしまう」と危機感を抱いた筑豊工業高OBらが08年、会を結成。県教委などに働きかけ、資料室の開設が実現した。
 会長の吉田隆光さん(77)は「先人が残した貴重な資料をこれからも守り継いでいきたい」と気持ちを新たにしている。

【村上通哉さん】(川崎町)
■教え子らを思い絵本館

村上通哉さん  筑豊地域の中学校で約30年にわたり、子どもたちに国語や社会を教えた。退職後の1994年、「教え子たちが帰省した時に立ち寄り、本に親しめる場所を作ろう」と自宅敷地内に「筑豊絵本館」を開設した。
 館内には、自身が収集した絵本や書籍、交流のあった日本画家・東山魁夷から贈られた陶製の洋風人形やオルゴール、本、レコードなど数百点を展示。見学希望があれば公開している。
 東山とは、川崎町立川崎中に勤めていた80年に生徒が国語教科書作者の生原稿展を企画した際、原稿を依頼したのがきっかけで交流が始まった。贈られたコレクションは「筑豊の子どもたちへの形見分けのようなもの」と考えている。
 「旧産炭地の筑豊は国策によって繁栄と衰退の道をたどった。時代に翻弄された子どもたちへの思いを忘れず、これからも館を運営していきたい」と語る。

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[20]
●内田勇二さん 26(直方市)
「子を救う」虐待経験語る

内田勇二さん  香春町高野の児童養護施設「田川湯山荘」で保育士として働く傍ら、児童相談所の職員や民生委員を対象にした講演会で、子どもの頃に受げた虐待の経験を話している。
 小学6年から中学1年までの約2年間、母親と一緒に身を寄せた親戚の家で虐待を受けた。殴られたり、食事を抜かれたりしたほか、学校にも行けなかった。その後、児童養護施設に入所。施設の保育土を目指して近畿大九州短大で学んだ。
 施設では、様々な理由で親と暮らすことができない子どもたちと向き合い、日々の生活を支援している。2016年から始めた講演活動では、虐待が子どもの心身に与えるダメージの大きさについて伝えている。
 「周囲の支えで立ち直った自分の経験を話すことが、一人でも多くの子どもたちを虐待から救い出すきっかけになってほしい」と願っている。
推薦・平松愛子委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[19]
●フォレストセーバー正人どんの郷(嘉麻市)
荒廃した里山再生 竹活用

フォレストセーバー正人どんの郷  嘉麻市上西郷の久吉地区で、森林・竹林の整備や伐採した竹の活用などに取り組んでいる。
 荒廃した里山を再生し、子どもたちが自然の中で遊ペる環境を整えようと、地区の住民たちが集落ぐるみで2014年に結成した。団体名は、江戸時代に地元で農業用水路の建設に尽力した人物の名前にちなんでいる。
 住民が所有する約5ヘクタールの里山で過度に繁殖した竹を伐採し、遊歩道や子どもたちが遊ペる遊具を整備。竹は粉砕してチップにした後、トマト栽培の肥料として再利用している。森林の中でヨガを行うなど里山を活用したイベントも企画している。
 事務局長の有田芳行さん(66)は「地区の住民がカを合わせて里山の再生に取り組むことで、地域の絆が強まった。これから保全活動を続けていきたい」と意欲を見せる。
推薦・有江俊哉委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[18]
●香春道草の会(香春町)
楽しい山歩きへ整備に汗

香春道草の会  香春町内の里山にハイキングコースを整備したり、春と秋の年2回、登山イベントを開いたりしている。
 「道草をするような感覚で山歩きを楽しもう」と、県立田川高(香春町)の生物部OBらが2008年に結成。愛宕山や新城山、金満山など標高400~800m程度の山にハイキングコースを設け、枝の伐採や倒木の除去など整備に取り組んできた。かつて修験者が通った道など新たなコースの開拓も進めている。
 現在の会員は、同町や田川市、行橋市の50~70歳代の約20人。登山イベントには県内外から100人前後が参加するようになり、春は山桜、秋はモミジを楽しみながら山頂を目指す。
 会長の原田忠さん(71)は「昨今の登山ブームでイベントの参加者は年々増えている。身近な自然の素晴らしさを多くの人に満喫してもらいたい」と話す。
推薦・高山友良委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[17]
●旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会(直方市)
鉱山学校の資料を案内

旧筑豊工業(鉱山)高校所蔵文化財を伝える会  石炭関連の資料を展示する筑豊高(直方市領野)の資料室で毎週日曜の午後1~4時、会員が交代で来館者の案内に当たっている。
 直方市には大正時代、炭鉱技術者を養成する「筑豊鉱山学筏」が設立された。その流れをくむ筑豊工業高は2005年、統合に伴い閉校。08年、跡地に移転した筑豊高の一室に資料室が開設された。時期を同じくして、筑豊工業高OBや有志らが会を結成した。
 資料室では、鉱山学校の授業で使われだ教科書や学校を設立した筑豊石炭鉱業組合に関する資料、鉱物標本などを展示。昭和初期の授業や実習、寮生活の様子を収めた貴重な記録映画のフィルムもある。
 会長の吉岡隆光さん(77)は「筑豊炭田遺跡群が国史跡に指定され、再び注目が集まっている。日本の近代化を支えた炭鉱の歴史を、多くの人に知ってもらいたい」と話している。
推薦・東陽一委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[16]
●吉柳佳代子さん 43(飯塚市)
演劇通し子の表現力育む

吉柳佳代子さん  演劇を通して子どもたちの表現力を育む「飯塚子どものためのドラマスクール」の講師を務める傍ら、飯塚市を拠点とする即興演劇集団「モザイクス」で活動している。
 九州大谷短大で幼児教育を学んだ。在学中に研修で訪れたオーストラリアで、音楽や美術などの創作活動を通して自分の感情を表現する方法を学ぶ表現教育と出会った。
 ドラマスクールには1996年の設立当初から関わっている。公募で集まった小中高生が自分たちで脚本や演技を考え、創作劇を作り上げていくのが特徴。月2回の練習では、創作の手順や演技などを指導している。他にも保護者向げの講習会も開催している。
 「周囲の目を気にして、自分の気持ちを表現できない子が多い。演劇を通じて、感情を表現することの大切さを伝えていきたい」と意気込んでいる。
推薦・岡村智之委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[15]
●村上通哉さん 86(川崎町)
東山魁夷と縁 絵本館開設

村上通哉さん  24年前に自宅敷地内に「筑豊絵本館」を開設。自身が集めた絵本や書籍に加え、交流のあった日本画家、東山魁夷か贈られた海外の絵本や人形、クラシック曲のレコードなど数百点を展示している。
 元中学校の国語教諭。1980年、勤務先の川崎町立川崎中で国語教科書作者の生原稿展を企画した。その際、原稿を依頼したことがきっかけで東山と親しくなった。
 その後、病気で学校を退職したが、「教え子帰省した時に気軽に立ち寄り、本を楽しめる場所を作ろう」と私費で絵本館を開設した。東山は子どもたちが気に入る品々を選び、段ボール箱に詰めて送ってくれたという。
 現在は見学希望があれば公開している。「東山画伯がドイツ留学時に購入した絵本や創作中に聴いていたレコードもある。気軽に訪れてほしい」と話す。
推薦・林真弓委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[14]
●金剛山もととり保全協議会作業部会(直方市)
里山保全や自然観察会

金剛山もととり保全協議会作業部会  自然豊かな金剛山の麓にある直方市上頓野で、里山の保全活動に取り組んでいる。雑木や竹の伐採に加え、約3000株のアジサイが植えられた「もととりあじさい園」の管理も担っている。
 協議会は、地元の環境保全団体などが2010年に設立した。当初から参加している清野重秋さん(66)によると、金剛山麓でのゴルフ場建設計画の頓挫に伴い、市が買い取った山林約12ヘクタールで、雑木の伐採や草刈り、植林をボランティアで続けてきた。
 作業部会の会員は60~80歳代を中心とした約20人。里山の保全活動などに加え、同市の遠賀川水辺館と連携し、市内の小中学生を対象にした自然観察会も開催している。
 田丸憲剛会長(77)は「最近は希少生物がよく見られるようになり、里山の再生を実感している。環境保全の大切さを子どもたちに伝えたい」と話している。
推薦・高橋幸子委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[13]
●桂川町の明日を創る会(桂川町)
イルミネーション 街彩る

桂川町の明日を創る会  桂川町役場や町商工会青年部、JAなどの若手職員や部員ら約100人でつくるまちづくり団体。12~1月に町中心部を発光ダイオードで彩る「街頭イルミネーション作戦」に取り組み、町内の各種イベントの運営にも携わっている。
 町商工会青年部の呼ぴかけで1988年に結成。当時は「むらおこし」がブームで、国特別史跡・王塚古墳を活用したイベントの開催や、町花ヒマワリを国道沿いの花壇に植える環境美化などに取り組んできた。
 現在は、8月の夏まつりや10月の王塚古墳まつりの実行委員会に参加。ボランティアで会場設営や来場者の案内にあたっている。
 結成から今年で30年。奥野敬之会長(41)は「『町のために何かしたい』と思う人たちが組織の枠を越えて集まり、活動を続けてきた。先達の思いを受け継ぎ、元気なまちにしていきたい」と話す。
推薦・溝口治夫委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[12]
●田川創作炭坑節宗家 月咲SEED(田川市)
現代風の踊り 発祥地PR

田川創作炭坑節宗家 月咲SEED  炭坑節にロックやサンパなどのリズムを取り入れ、現代風にアレンジした「創作炭坑節」のパフォーマンスグループ。田川市や東京都荒川区の炭坑節まつりなど各地のイベントで踊っている。
 炭坑節発祥の地をPRしようと、今年5月に発足。メンバーは20~40歳代の主婦や会社員ら15人で、炭鉱でにぎわった時代を知らない世代だ。「家楼新山」こと中村成也さん(40)の指導で、月3回、田川文化センターで練習している。
 中村さんは県立大の学生時代に創作炭抗節のダンスコンテストを企画。これまでに約100曲の作曲と振り付けを手がけた。「掘って 掘って また掘って」など定番の振り付けを躍動感ある動きで表現する。
 「炭坑節は旧産炭地を代表する文化。全国に発信し、後世に引き継ぐ役割を担いたい」と意気込んでいる。
推薦・成田憲幸委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[11]
●虹の会(宮若市)
廃油でせっけん 環境保全

虹の会  廃食用油を再利用して、せっけんを作っている。生産量は年4000~5000個に上る。宮若市の農産物直亮所「ドリームホープ若宮」で2個セット税込み100円で販売。洗濯用に買い求める人が多いという。市内の小中学校や福祉施設などには無料で配っている。
 旧若宮町(現・宮若市)の婦人会のメンバーらが1994年に結成。当時は家庭から出る廃食用油による川の汚染が全国的に問題となっていた時期で、環境保全を目的に活動を始めた。
 ドリームホープ若宮の敷地内にある作業場で月2回、学校給食の調理で出る廃食用油を使ってせっけん作りをしている。現在の会員は60~80歳代の18人。会長の岩見園子さん(71)は「会員の高齢化で活動を続けるのは大変だが、喜んでくれる人たちの声に元気をもらっています」と話している。
推薦・柴田裕美子委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[10]
●碇山武広さん 78(飯壕市)
パソコン指導 HP制作も

碇山武広さん  飯塚市立立岩小で毎週木曜日の放課後に開かれるパソコン教室「市の間パソコンクラブ」の講師を務める。60~80歳代の男女約10人に、基本操作や活用法を教えている。
 東京の情報機器製造会社で電話機や無線機器などの開発に携わり、1984年の工場進出に伴い、飯塚市へ移った。定年退職を機に「地域に恩返ししたい」と考え、2001年に結成された同クラブの講師を引き受けた。
 教室で教える傍ら、14年には地元自治会のホームページ「市の間かわら版」を制作。自治会の行事や市からのお知らせ情報などを載せており、月1回、内容を更新している。
 昨年、喜寿を迎え、体力的にきついと感じる時もあるが、「楽しみにしてくれている人がいるから頑張れる。自分の生きがいにもなっており、体が動く限り続けたい」と話す。
推薦・荒木正勝委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[9]
●田川映画愛好会(田川市)
資料館の開設へ収集900点

田川映画愛好会  かつて炭鉱の隆盛とともに田川地区で花開いた映画文化を伝えていこうと、映画資料の収集や上映会に取り組んでいる。
 映画は炭鉱労働者の娯楽として人気を集め、同地区には1960年代、20を超える映画館があったという。しかし、閉山後は廃館が続き、最後まで残っていた田川ターミナル会館も88年に姿を消した。
 事務局長の重藤哲男さん(78)が同館の映写機や映画ポスターなどを譲り受け、2007年、地元の映画ファンらと結成した。現在は50~80歳代のメンバー38人が活動している。
 これまでに収集した資料は、映画のポスターやパンフレット、手描き看板など約900点に上り、展示会などで公開している。
 映画資料館の開設を目指しており、会長の浦田憲一さん(76)は「貴重な資料を多くの人に見てもらいたい」と話している。
推薦・公門友里絵委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[8]
●林正己さん・厚子さん夫妻(小竹町)
「あかぢ」の環境守る名誉駅長

林正己さん・厚子さん夫妻  小竹町亦地にある平成筑豊鉄道あかぢ駅の名誉駅長を務める林正己さん(73)と妻の厚子さん(75)。ボランティアでホーム周辺の草刈りや清掃を行い、環境美化に努めている。
 夫妻は、無人駅の同駅近くで金属加工工場を経営。2003年に、正己さんが名誉駅長を委嘱された。ホームのり面の雑草を刈ったり、季節の草花を植えたりしている。
 今年4月には、地元の駅をPRしようと、町花のヒマワリや町内の田園風景が描かれた看板(縦0.9m、横1.8m)6枚をホームに設置した。厚子さんが通う絵画教室の友人にも協力してもらった絵に「WELCOME KOTAKE」などの文字を入れている。
 正己さんは「これからも気持ち艮く利用してもらえるよう、夫婦で力を合わせて駅をきれいに保っていきたい」と話している。
推薦・花由美起委員、古賀佳代委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[7]
●若菜校区若菜っ子見守り隊(飯塚市)
登下校や遠足 安心をキープ

若菜校区若菜っ子見守り隊  飯塚市小正の市立若菜小の通学路で、登下校する子どもたちを見守っている。10年以上にわたる活動が認められ、今年10月、県防犯協会連合会などから防犯功労団体表彰を受けた。
 校区内は国道200号などが走り、登下校の時間帯と重なる朝夕は特に交通量が多い。見守り隊には地元住民約15人が参加しており、朝夕に各約1時間、交通量の多い道路や交差点に立ち、子どもたちが事故や事件に巻き込まれないように目を光らせている。
 見守り活動のほかにも、遠足に同行したり、隊員全員「子ども110番の家」に加盟したりして、安心安全の確保に努めている。
 隊長を務める林定美さん(71)は「毎日、子どもたちの笑顔に元気をもらい、隊員の生きがいにもなっている。事故や事件のない地域づくりを進めていきたい」と意欲を見せている。
推薦・相川千雪委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[6]
●久良知宗一郎さん 29(香春町)
田川っ子にテニス指導

久良知宗一郎さん  田川テニスクラブ(香春町中津原)の元インストラクター。年に2、3校のペースで田川市郡の小学校に出向さ、ボランティアでテニスを教えている。
 クラブは久良知さんの祖父が創業した。小学校への出前指導はイシストラクターをしていた2011年に始めた。子どもたちからテニスが上達するコツを聞かられると、「どんなスポーツも楽しみながら取り組むことが一番大切」とアドバイスしている。
 11月には近くの町立中津原小を訪れ、5、6年生計約50人に指導した。3回計6時間の練習で、多くの児童がサーブやレシーブ、ボレーなどの基本プレーができるようになったという。
 保険代理店の仕事の傍ら、今後も可能な限り時間を作って活動を続ける予定だ。「田川地域にラケットスポーツを広めたい。スポーツを通じて自分の可能性を広げてほしい」と話している。
推薦・中井淳弥委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[5]
●山尾浩三さん 39(鞍手町)
炭鉱の歴史 次代に継承

山尾浩三さん  全国の旧産炭地を訪ね、元炭鉱労働者への聞き取りや炭鉱跡の写真撮影などに取り組んできた。これまでに北海道を除く約800か所に足を運んだ。
 北九州市出身。2005年、心臓病の手術で入院中に筑豊炭田を写した土門拳の写真集を見て衝撃を受けた。「旧産炭地を回って話を聞こう」と、翌年から会社の年休などを利用して旧産炭地巡りを始めた。
 元坑内作業員の女性の話が特に印象に残っているという。太平洋戦争中に入手不足を補うため、切り羽で働いた女性から「私たちの話を伝えていってほしい」と頼まれたことが今も活動の原動力になっている。
 最近は小学校で講演するなど伝承活動にもカを入れており、炭鉱をテーマにした絵本の製作を構想中だ。「子どもたちが真剣に話を聞いてくれるのがうれしい。炭鉱の歴史を次の世代に伝えていきたい」と話す。
推薦・清水舞子委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[4]
●candy(飯塚市)
地域催し、ライブ演奏50年ヘ

candy  飯塚市の自営業、久家康司さん(69)と鶴研治さん(68)、元会社員の山田勝則さん(69)でつくるフォークバンド。50年近くにわたって、地域のイベントやライブで演奏を続けてきた。
 3人が大学生だった1970年、久家さんの弟の周三さんを加えた4人で結成。60~70年代のフォークソングやビートルズナンバーを得意としている。
 2007年に周三さんが膵臓がんで亡くなり、活動を休止したが、6年後に再開。16年には同市の嘉穂劇場の改修貨を集める目的でチャリティーライブを開き、収益を同劇場に寄付した。
 今月15日には、同市のイイヅカコスモスコモンで西日本豪雨の復興支援ライブを開く。久家さんは「音楽を作り上げる達成感を励みにしてきた。結成50周年に向けて活動を続けていきたい」とカを込める。
推薦・田中仁委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[3]
●募金につながる小物づくりの会(田川市)
グッズ作り収益 赤い羽根に

募金につながる小物づくりの会  田川市伊田のスマイルプラザ田川で月2回、裁縫や編み物、ビーズ細工などの小物づくりに取り組んでいる。毎年10月に開かれる市社会福祉協議会主催の「ふくしまつり」などで販売。収益の全額を赤い羽根共同募金に寄付している。
 県共同募金会田川市支会の呼びかけで、同市の主婦らが2016年に結成した。現在は約30人がそれぞれの特技を生かして活動しており、昨年度は約900点を製作して計約20万3000円を寄付した。
 今年度は、地元の伊田商店街のマスコットキャラクター「ふうじくん」をデザインしたグッズ作りなどにも取り組み、商店街の活性化に一役買った。
 代表の松枝紀子さん(63)は「互いに教え合い、和気あいあいと楽しみながら小物を作っている。自分たちの活動が社会貢献につながり、やりがいを感じる」と話している。
推薦・石川昇平委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[2]
●青柳幸枝さん 54(直方市)
木育スペースを開設

青柳幸枝さん  直方市の古町商店街に、「木育おもちゃ&フリースペース Tree branch」を開設し、子どもに木と親しんでもらう「木育」に取り組んでいる。
 学童保育の運営に携わりながら、竹林の整備活動にも取り組み、木育への関心を深めた。2016年春、商店街にある旧家具店の空き店舗を借りて出店。「Tree branch」は、木育の「木」と自身の名前の一字から名づけた。
 ヒノキ張りのフロア「おもちゃ広場」には、国産材を使った約100種類のおもちゃをそろえ、木製の滑り台もある。親子に木の箸や小物作りの体験をしてもらうワークショップを開いているほか、青柳さんが自身の子育て体験を若い母親たちに話すこともある。
 「子どもの頃から木のぬくもりに触れて遊ぶことで、自然との共生を大切にする気持ちを持ってほしい」と願う。
推薦・白土聖司委員

 ふるさとの誇り「第32回筑豊賞」候補[1]
●RED COATS(飯塚市)
ジャズの面白さ発信

RED COATS  飯塚市川津の「アルクカフェ」を拠点に活動するジャズのビッグバンド。筑豊地域のアマチュアミュージシャンが集う「筑豊B1ミュージックフェスティバル」などの地域の音楽イベントに参加したり、プロ演奏者のライブで演奏したりして活動している。
 吹奏楽が盛んな筑豊地域から音楽の魅力を発信しようと、プロのビッグバンドで活動した経験を持つ吉田周生さん(64)と大庭進さん(71)が中心となって2015年に結成した。
 現在のメンバーは10~70歳代の約30人。高校生や教員、自営業者、アナウンサー、自衛官など多彩な顔ぶれで、福岡市や古賀市などから通う人もいる。
 地域の活性化と若手ミュージシャンの育成が目標だ。吉田さんは「ジャズの面白さや楽しさを多くの人に知ってもらいたい。音楽の力で飯塚のまちを盛り上げたい」と話している。
推薦・久保森住光委員

 各分野での活動紹介
 読売新聞西部本社の提唱で活動する「あすの筑豊を考える30人委員会」は、地域づくりや自然保護、文化・スポーツ振興、青少年育成など様々な分野で筑豊地域の活性化に取り組む個人・団体を顕彰する「第32回筑豊賞」の候補を決めた。嘉飯地区8件、直鞍地区と田川地区が各6件の計20件。筑豊賞には地区ごとに1件を選び、2月3日に田川市の県立大で表彰式を行う予定。委員から推薦された各候補を紹介する。

1月1日(日) 謹賀新年
 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。


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